ベトナムの概要

ベトナムの正式名称は「ベトナム社会主義共和国」といい、首都は北部のハノイです。国名に「社会主義」という名前があるように、制度としては社会主義を採用している国です。しかしながら中国と同じように開放路線を歩んで外国からの投資を誘致し、そこから経済発展が始まって現在に至ります。
2015年時点の人口は約9,340万人なので、日本とそれほど差はありません。いわゆるベトナム人といわれる人々の大半はキン族(越人)で、この人たちが日本から見たベトナム人のイメージとなっています。
日本からは4,000kmくらいの距離で、飛行時間は6~7時間程度です。人の往来が活発になってきているので直行便の就航数も増加傾向にあります。
経済成長の真っただ中にあるため、日本以外の国からも活発に投資が集まっており、近代的な工場などもどんどん増えている状況です。

ベトナムの政治・経済

政治体制は社会主義国で、合法政党として活動しているのは共産党だけです。この部分だけを見ると中国とよく似た政治体制ですが、民主的な要素を採り入れながらの改革も進められているので、投資対象としてのカントリーリスクはそれほど高くないと評価されています。
経済面では1986年に採択されたドイモイという改革・開放路線によって経済的な発展を目指し、それに応じた外国からの投資が活発になったことから現在の高度成長を実現しました。
2007年にはWTOに加盟し、国際的な経済の枠組みに参加して市場経済を発展させる動きを進めています。こうした取り組みにより投資環境の良さが確保されている一方で5%以上の経済成長を毎年続けているので、今後の発展余地も大きな国であると言って良いでしょう。

ベトナム人の気質

ベトナムでの生産委託において重要な意味を持つのが、ベトナム人の気質です。中国と国境を接してASEAN諸国にも接する東南アジアの国なので、それぞれの特徴を併せ持っていると言って良いでしょう。日本では勤勉な人たちというイメージが強いですが、それはビジネスパートナーとしての関係をしっかりと作って適切な管理体制を敷いた上での話です。何のつてもない状態で現地の工場に生産委託をしても、おそらく期待通りの結果は得られないでしょう。
しかしながら、国民性や価値観では日本人と似ている部分があり、全体的に親日的なので日本人にとっては付き合いやすい部分もあります。